タイ国、ノンタブリ県の田村です。
既に周知化しているものと存じますが、このMLの過去ログがなぜか開けなかったので、
念のため、言及させていただきます。
(A) kochi-substituteの後継フォントとしてsazanami-20040629が公開されています。
早急に乗り換えに着手した方が宜しいかと存じます。
http://sourceforge.jp/projects/efont/
(B) GT書体のうち、GT2000-1.ttfがそのまま使えるようです。
GT書体は本来BTRON用に開発されたもののようで,11書体で67,527字を網羅すると
いうことですが、通常のフォントとして利用できるのは、そのうちGT2001-1.ttfだけのよ
うです。デザインではIPA書体にはとてもかないませんが、ライセンスの問題があまりない
ようですので、KNOPPIX-CDで再配布することもできるのではないでしょうか。
http://www.l.u-tokyo.ac.jp/GT/
ーーーーー
フォントとは直接関係ありませんが、次の点もご報告します。
(C) 日本語入力システムWhizを使ってみました。快適です。
これはBerry-Linuxを開発していらっしゃる中田祐一朗さんが公開しているものです。
http://yui.mine.nu/whiz/whiz.html
HDにインストールされたKNOPPIX V3.4 AIST版 (20040517-20040629,
20040510-20040520)に導入を試みました。上記のページでutuhiroさんが
その方法を紹介しています。
http://yui.mine.nu/whiz/knx-whiz.tar.bz2
しかし、この方法は現行のAIST版KNOPPIXには当てはまりませんので、次のような手順で
インストールしました。
*)なお、初めに触れたsazanami, GT2000両フォントに関する情報は、この
utuhiroさんのホームページで紹介されていたものです。感謝します。
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Cupertino/5207/index.html
[1] whizのインストール
whiz-0.48-b1.i586.rpmを使う方法と、whiz-0.48-linux-glibc23.tar.bz2を使う方法
とがありますが、後者の方が問題ないようです。これをダウンロードして解凍します;
~# tar -jxvf whiz-0.48-linux-glibc23.tar.bz2
~# cd whiz-0.48-linux-glibc23
インストールスクリプトを編集します;
~# vi install.sh
-- edit "install.sh" --
最終行に次のようなコマンドがあります;
install -m 755 whiz.init /etc/rc.d/init.d/whiz
しかし、この起動スクリプトは動かないので、これをコメントアウトします;
#install -m 755 whiz.init /etc/rc.d/init.d/whiz
-- save&quit vi --
~# ./install.sh
whizは/opt/whiz/以下に保存されます。
[2] canna, kinput2-cannaを導入します(apt-get install)。
KNOPPIX上でcannaを利用するためには、以下のものが必要でした:
libcanna1g_3.7p3-1_i386.deb
canna_3.7p3-1_i386.deb
kinput2-canna-wnn_3.1-4_i386.deb
なお、cannaパッケージのインストールの際に、次のような質問を受けます;
|Cannaを設定しています|
このパッケージはかんなサーバとサーバに関係したユーティリティを
含んでいます。もし、サーバ関連のユーティリティにのみ興味がある
のであれば、かんなサーバを起動するのを無効にすることができます。
かんなサーバを起動しますか?
これに「いいえ」と答えます。
[3] ライプラリー"libstdc++6"を追加します。
KNOPPIX V3.4上でwhiz-0.48を使用するためには、libstdc++6が必要
ですので、これを導入します(apt-get install)。必要なのは次の3つでした:
gcc-3.4-base_3.4.1-4sarge1_i386.deb
libgcc1_3.4.1-4sarge1_i386.deb
libstdc++6_3.4.1-4sarge1_i386.deb
[4] whizserverの起動準備をします:
~# cd /etc/init.d
~# ln -s /opt/whiz/sbin/whizserver whizserver
~# cd /etc/xim/ja
~# cp freewnn whiz
~# vi whiz
-- edit "whiz" --
変数を以下のように設定します;
INPUTMETHODNAME="Whiz"
INPUTMETHODSERVER="whizserver"
XMODIFIERS="@im=kinput2"
INPUTMETHODEMACSLISP=""
-- save&quit vi --
~# rm default
~# ln -s whiz default
以上で、whizがdefaultになります。勿論、defaultは変えずに、起動オプショ
ン(lang=ja xim=whiz)を使用することもできます。
[5] kinput2-canna-wnnの起動準備をします:
~# cd /etc/X11/Xsession.d
~# vi 31xinput
-- edit "31xinput" --
このスクリプトの@im=kinput2)の箇所を次のように書き換えます;
@im=kinput2)
case $INPUTMETHODNAME in
FreeWnn*)
/etc/alternatives/kinput2 &
;;
Whiz*)
/usr/X11R6/bin/kinput2-canna-wnn -canna &
;;
esac
;;
-- save&quit vi --
以上で準備完了です。再起動後、通常通りshift+spaceで、whizを使った日本
語変換ができるはずです。今回ご紹介した方法は、FreeWnnとWhizを共存させ
る方法です。kinput2-wnnのアンインストールは行いませんでしたから、xim=
freewnnを指定すれば、元のままの日本語環境に戻ります。
また、whizに同梱されているwhizserverの起動スクリプト(whiz.init)がKNOPPIX
上では動きませんでしたので、/opt/whiz/sbin/whizserverを直接起動させるし
かありませんでしたが、この辺りのスクリプトの書き方に精通なさっている方が
いらっしゃいましたら、その編集方法をお教えいただきたいと思います。
開発者ご本人は「いまだ開発中」とおっしゃっていますが、変換候補の一覧を利用
できるなど、現行FreeWnnより快適な日本語入力ができるようです。驚いたことに
私の名前も変換候補の中に出てきました! 今後、ユーザ辞書の利用など、いっそ
うの改良が加えられることを期待したいと思います。
2004-09-11
田村志緒理
|