タイ国、ノンタブリ県の田村です。
[6243]で須崎様からご報告のあったknoppix5.0(Cebit2006)DVD日本語版には
大変刺激を受けました。文字セットをEUC-JPとUTF-8との間で切替えられるよう
になったことです。私のカスタマイズでもlang=usの場合にはen_US.UTF-8を使
うようにはしていたのですが、日本語環境までUTF-8を使う勇気はまだありません
でした。しかし、knoppix5.0(Cebit2006)DVD日本語版の公開に励まされて、
自分なりに挑戦してみました。私のところではDVDはダウンロードできないので、
自分の勝手な判断で実験してみたにすぎないのですが、細かな調整に手間取ってし
まい、上記報告からは大分時間が経ってしまいました。
結論から先に申しますと、予想以上の成果を得ることができました。私の場合は、
EUC*は一切捨ててしまい、日本語英語以外でも、例えばde_DE,fr_FR,hi_IN,
it_IT,ko_KR,zh_CN,zh_TWなどでもcharset=UTF-8に設定しました。なお、
zh_TW.UTF-8は/etc/locale.genにはないので、勝手に追加してlocale-gen
を実行したところ、うまくいきました(th_TH.UTF-8は失敗しました)。
まず最大の成果は、scimの全モジュールがいつでも利用可能になったことです。
中国語入力も正常に稼働します。やっとChinputからの完全乗換が可能となりま
した。
第二の成果は、FAT16/32,NTFSのパーティションをマウントする場合、codepage
の指定が要らなくなった(らしい)ことです。iocharset=utf8を指定するだけ
で、各国語のファイル名が正常に表示されます。
そして第三に、Sambaを利用したファイル共有の設定が非常に簡単になったこと
です。どんな言語環境で起動するかにかかわらず、/samba/smb.confでの設定
は;
unix charset = UTF-8
display charset = UTF-8
だけで大丈夫(のよう)です。本当に大丈夫かどうか確かめるために、空のテキスト
ファイルを多数作成し、そのファイル名に、http://www.wikipedia.orgからコ
ピーしてきたさまざまな言語の名称を設定して、/home/knoppix/UTF-8_TESTと
いうフォルダに納めました。このフォルダをSambaを経由して、Windowsおよび
MacOS Xから開いてみたところ、それぞれのOSで表示可能な言語は、概ね正常に表
示されました。そのスクリーンショットを以下の場所にアップしておきましたので、
ご関心おありの方はご覧ください;
http://briefcase.yahoo.co.jp/shiori_tamura
これからも分かるように、Knoppixのデスクトップでは、簡体中国語や広東語の特殊
な漢字が表示されませんが、WindowsおよびOSXからは見ることができます。しかし、
実験に使ったWindows2000では、エキゾチックな言語が多数「豆腐」になってしま
います。この点、同じくUNIX系のMacOSXの方がLinuxとの相性は良いようです。
もちろん、UTF_8化には問題点もあります。須崎様もご指摘の通り、xdialogで
日本語メッセージの表示ができなくなってしまいます。これは痛いです。私の場
合は、日本語表示を諦めざるを得ませんでした。
以上です。詳細に付きましては、ご質問があり次第お答えいたす所存です。
田村志緒理
(2006-05-14)
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