濱田@福大です。
12/8 から 12/10 まで韓国に行ってソウルの KIAS という
研究機関で開かれた ASCM2005 に参加してきましたので、
御報告致します。
ASCM (Asian Symposium in Computer Mathematics) は
日本、中国、韓国、欧米諸国の数学者や
数式処理の専門家が参加する国際的な研究集会です。
おそらく100名前後の参加者がいたようです。
今回は、KNOPPIX/Math 韓国語版125枚、英語版125枚、日本語版30枚、
それとアルファシステムズ様の御好意で預った Accerelated-KNOPPIX20枚
の合計300枚を持っていったのですが、
3日間で 230 枚ほどを配り、残り(韓45, 英25)は
会場となった KIAS という研究所に預けてまいりました。
期間中の3日間はホールでデモをしていたのですが、
2日目まで、自分の講演タイトル
KNOPPIX/Math:Portable and distributable collection of
mathematical software and free documents
が Portable(携行可能) ではなく Potable(飲用可能)になっていることに
気づかなかったことは、反省しきりです。
# USB-KNOPPIX ならば、Potable かもしれませんが、
# CD ではちょっと厳しいです。:-)
デモンストレーションをしていると、たまにあることですが、
様々なアプリケーションの開発者に直接お会いできたのは
大変、有意義でした。
特に同じセッションで行なわれた Prof. Joris van der Hoeven の講演は、
大変驚かされました。氏は TeX の GUI エディタ GNU TeXmacs の開発者
ですが、その操作は見事なもので、GUI でここまで TeX 入力ができるのかと
感心しました。現在、氏は神戸大学に滞在し、
神戸大学 高山信毅教授とともに TeXmacs の国際化に取り組んでいます。
また、dvipdfmx の開発者である Prof. Jin-Hwan Cho も参加しており、
交流を結ぶことができました。今後、TeXmacs の国際化についても、
色々と協力をお願いできそうです。
韓国は日本に比べると Windows の勢力が強く、
UNIX ユーザは極めて少ないようで、
まだまだ KNOPPIX の知名度は低いようでした。
今回、ASCM2005 の Organizer である Prof. Hyungju Park
の全面的な協力を得ることができたことは大変、好運でした。
彼が熱っぽく韓国語で KNOPPIX/Math を紹介してくれている様子を
見ていると、こちらも何を言っているかわかるような気がして、
嬉しかったです。
講演では、HTTP-FUSE KNOPPIX や SFS-KNOPPIX,
USB-KNOPPIX, KNOPPIX Edu についても
紹介してきました。なかでも USB-KNOPPIX への要望は大変強く、
結局、期間中に試作版の USB-KNOPPIX/Math を作成して数名に渡すことになりました。
少し古めの Let's note 等は起動が難しいようですが、
最新の Let's note ならば問題なく起動して、
大変、喜んでいただけたようです。
また、アルファシステムズ様からいただいた Accelerated-KNOPPIX についても
神戸の高山先生がホテルに据えつけのPCで早速試したそうで、
いつもならば、起動までに他のことを準備できるのに、
速すぎて困るとこぼしていました。(^^;
Accelerated-KNOPPIX の英語によるWebpageを会場で投影していましたので、
参加者の方々も、おそらく内容を理解していただけたのではないかと思います。
今後の Math の方向性を考える上でも、今回の ASCM2005 は
大変有意義な時間を過ごせました。
私のプレゼンテーション資料とアブストラクトは
http://geom.math.metro-u.ac.jp/wiki/index.php?%5B%5BKNOPPIX%2FMath%2F2005%5D%5D
か、もしくは
http://holst.sm.fukuoka-u.ac.jp/~hamada/papers/
で公開していますので、よろしければ御覧ください。
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