Vitruvian Penguin
knoppix

[knoppix:6019] チートコードの説明文

Date: Sat, 11 Feb 2006 11:32:49 +0900
User-agent: Mozilla Thunderbird 1.0.7 (Windows/20050923)
東北学院大学の志子田です
チートコードの説明文を少し冗長的に訳してみました
1,2箇所未訳の部分がありますが、なにかおかしいところがありましたら
教えてください。

3月にリリース予定のKNOPPIX Edu5に収録する予定です。
どうぞよろしくお願いします。

----------------------------ここから---------------------------------


CheatCode(チートコード)の設定
[はじめに]
 KNOPPIX CDから起動しようとするのに途中でおかしくなってしまう(または止
まってしまう)などの症状が見られることがあります。このドキュメントはパソ
コンをなんとかだまして立ち上げるための方法について書いてあります。
 具体的には[001]にあるとおり、起動時に表示される「boot:」という文字の後
に特別な命令をキーボードから入力すると、そのPCに必要な設定を切り替える機
能をKNOPPIXは持っています。これを「チートコード:Cheat(=だます、うまく
逃れる)」と呼びます。一回でうまく起動しない場合もどうかあきらめずに以下
のチートコードを試してみてください。

(この文章はオリジナル原稿の意訳です。正確に一字一句文章を追いかけて翻訳
したものではありません。自己責任でお使いください)

■001■チートコードとは?
「チートコード」というのはKNOPPIXのCDを入れただけではうまく動いてくれな
い(KNOPPIXが立ち上がらない)パソコンがあるときに、それをなんとかうまく
動かすための魔法の呪文のようなコマンドで、これを入力するとKNOPPIXをだま
してなんとか立ち上げることができるようになる場合があります。

■002■魔法の呪文(チートコード)を入力するのはいつ?
チートコードはパソコンがCDから起動して、比較的すぐに現れる「boot:」とい
う文字の後に入力します。まず「knoppix」と入力します。続けてなにか一つは
チートコードを入力してからEnterキーを押します。チートコードには続けて数
値を指定するものもありますので注意してください。
例えばこんな風です
boot: knoppix xvrefresh=60 noscsi floppyconfig
あとでそれぞれのチートコードについて説明をしますが、この例では垂直同期信
号を60Hzにして、scsiカードを使わないことを宣言し、フロッピーディスクに格
納された自分専用の特殊な設定(前回使ったときに保存しておいたもの)を読み
込むことを指定しています。はじめの60Hzというのは、液晶ディスプレイなどの
垂直同期信号がKNOPPIXの初期設定と合わない場合、画面が真っ黒になって表示
されなかったりする場合によく使われるチートコードの値です。60Hzというのは
液晶ディスプレイなどでは典型的な値なのです。
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■003■いろいろなチートコード
今から説明するチートコードは組み合わせて同時に使うこともできます。
例えば
boot: knoppix home=scan nodma lang=fr
のように書くことができます。この例では3つ組み合わせており、一つ目が
「home=scan」で二つ目が「nodma」で、最後が「lang=fr」です。それぞれの意
味は本文中で説明します。
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■004■各国の言語にあわせるためのチートコード
以下のコードは「言語(=Language)」を変更するためのものです。「|」のよ
うな「縦棒」の意味は「OR(=または)」であり、「Lang=bg」のあとにどれか二
文字を入れればOKです。
lang=bg|be|ch|cn|cs|cz|da|de|dk|es|fi|fr|ie|it|ja|nl|pl|ru|sk|tr|tw|uk|us
例えばフランス語版として立ち上げたければ
boot: knoppix lang=fr
英語版で立ち上げたい場合は
boot: knoppix lang=us
と入力します。
http://www.w3.org/WAI/ER/IG/ert/iso639.htm
このwebサイトをみると、二文字のアルファベットがどの言語に対応するのかわ
かります。しかし、日本語版でお使いの方はほとんど必要ないでしょう。
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■005■コンソールキーボードの言語対応設定
(X環境ではなくて文字ベースの入力画面、いわゆるCUIな環境時のキーボード設
定を各国語キーボードにあわせるチートコード)
boot: keyboard=us
ただし、コンソール(文字ベースの画面)に対してだけの設定です。Windowsの
ようなwindow環境のときのキーボード設定は次のxkeyboardを使います。

■006■X環境のキーボード設定
X環境のときは「boot:」に続けて次のキー入力を行ないます。
boot: xkeyboard=us

■007■IDEバスの設定
CDドライブなどを接続するIDEバスをSCSIエミュレーションとして使わないとい
う設定
boot: atapicd

■008■デスクトップの選択
通常ならKDEというとても高機能なウインドウマネージャでKNOPPIXは起動します
が、好みで違うウインドウマネージャで立ち上げたい場合や、マシンが性能的に
遅くて、KDEの操作性が悪く使いにくいときに別のウィンドウマネージャで起動
します。
他のチートコードと違って、これは見た目に変わるので楽しいかもしれません。
KNOPPIX EduのようにカスタマイズされたKNOPPIXによっては、他のウインドウマ
ネージャが削除されている場合があります。その場合は以下の指定をしても動作
しないことがあります。
desktop=fluxbox|icewm|larswm|twm|wmaker|xfce

■009■スクリーン解像度の設定
スクリーン解像度の設定を行ないます。解像度の低いディスプレイで高い解像度
を要求しても動きませんし、また、高い解像度のPCをそのまま高い解像度で映す
とアイコンや文字が小さすぎる場合があります。チートコードは単に「起動する
かしないか」のためだけではなく、見やすさの設定としても使われます。screen
チートコードはそういう意味もあります。
boot: knoppix screen=1280x1024

■010■垂直同期周波数の設定
パソコンに接続している液晶ディスプレイなどの垂直同期、水平同期が合わない
とグラフィカルな画面、WindowsのようなGUI(Graphical User Interface)画面が
うまく表示できない場合があります。この場合KNOPPIXが起動しても真っ黒な画
面になって、一見なにも動いていないように見えるかもしれません。以下の設定
では「60」という数字が登場しますが、これは典型的な数値で、この辺の値で
試してみれば動く場合が多くあります。xvrefreshは1秒間に何回画面が更新さ
れるかを表わす垂直同期周波数です。
液晶に限らずモニターは、入力信号の周波数が決まっています。これは取扱説明
書にかならず書いてあるはずです。例えば、水平:30〜70kHz、垂直:
50〜120Hz...のような範囲である。「Out of ...」などの警告表示が出た
ら、ディスプレイのマニュアルに記載されている値の範囲でもう一度チートコー
ドを試してみてください。リフレッシュレートのチートコードは次のように二種
類あります。どちらも同じ意味です。数値の単位はHzです。つまり以下の例なら
60Hzです。
boot: knoppix xvrefresh=60 or vsync=60

■011■水平同期周波数の設定
垂直同期のところで述べたように、同じ設定が水平方向にも必要です。これも
ディスプレイのマニュアルに書かれている数値の範囲に合わせてチートコードを
設定してください。以下は80kHzに設定した場合の例です。
xhrefreshかhsyncのどちらも同じ意味です。垂直同期の場合の単位は「Hz」でし
たが、水平同期信号の周波数は1000倍も早く、kHzです。
boot: knoppix xhrefresh=80
以下の行も同じ意味です
boot: knoppix hsync=80

■012■Xサーバの切り替え
自動設定させずに、二種類のXサーバから起動してほしいものを指定します。
xserver=XFree86|XF86_SVGA

■013■Xモジュールの設定
使っているPCのグラフィックカードに搭載されているICチップの種類を設定しま
す。ICチップは会社によって異なり、また同じ会社でも異なる型番のICチップを
搭載している場合もあります。マザーボードやグラフィックカードのICチップを
探すと、ICの表面に型式を現すアルファベットが書いてある場合もありますが、
製品についてきたマニュアルで確認するのが確実です。
boot: knoppix xmodule= ati| radeon| fbdev| vesa| savage| s3| nv| i810|
mga| svga| tseng

■014■ホイールマウスの設定
ホイールマウスの機能を使いたくないときに使うチートコードです。
boot: knoppix nowheelmouse

■015■ランレベルの設定
ランレベルとはLinuxの動作モードのことです。0から6までの7つのモードが
あります。ランレベルごとに動作するソフトウエアは異なります。例えばランレ
ベル0にするとLinuxは終了します。起動時にランレベル0を指定することは何
の意味もありませんが、ランレベルの切り替えはKNOPPIXが起動した後にコマン
ドを入力することで行なうことも出来ます。これについてはLinuxについての市
販マニュアルなどで調べてください。
boot: knoppix 0
ランレベル0になって起動(つまりすぐ停止)
boot: knoppix 1
文字だけのCUI(Character User Interface)画面で起動。Xは起動せず、かつ「シ
ングルユーザモード」で起動します。シングルユーザモードについては市販の参
考書を参照してください。

boot: knoppix 2
「1」と同様にCUI画面での起動。ただしシングルユーザモードではありません。
マルチユーザモード。

boot: knoppix 3
boot: knoppix 4
ランレベル3,4ともにCUIモードで起動
boot: knoppix 5
ランレベル5は通常のグラフィカルモードで起動します。チートコードをなにも
入力しない場合もこのモードで起動します。
boot: knoppix 6
ランレベル6は再起動モードです。ここで6を指定するのはあまり意味がありま
せん。

■016■設定のやりなおしをさせる
myconfig=scan または floppyconfig あるいは floppyconf (これは最近のバー
ジョンの書き方です) フロッピーディスクからknoppix.shというシェルスクリ
プトを起動します。このfloppyconfigオプション(チートコード)は、KNOPPIX
が起動するときに毎回実行するautoconfigが実行されたあとで、もう一回設定を
やり直させたいとき、あるいはあなた独自の設定ファイルを作成させたいときに
使います。その方法は、フロッピーディスクをマウントさせ、その中のbourne
シェル(sh)を、フロッピーディスク自体ののルートディレクトリから
knoppix.shと呼ばれるシェルスクリプトを実行させることによって行ないます。
もちろん突然独自の設定ファイルが出来上がるわけではなくて、前回KNOPPIXを
起動して、そのあと自分でいろいろと変更した設定を残しておいたものが元にな
ります。その「フロッピーディスクに設定を残しておく」方法を実行するにはグ
ラフィカルユーザインターフェース(GUI)として準備されており、
「saveconfig」という名前がつけられています。これはまた、KDEメニューの
「KNOPPIX」項目のをたどると見つかります。ネットワークやグラフィックの設
定はconfigs.tbsというファイルに記録されます。もしCDROMの一番上のディレク
トリ(トップディレクトリ)にこのknoppi.shが収録されていると、KNOPPIXの起
動時に自動的にこれが実行されます。これはカスタマイズ版KNOPPIXを作りたい
人には朗報で、KNOPPIXディレクトリに有るKNOPPIXというcloop圧縮ファイルそ
のものを変更すること無しに、特別の設定で起動するKNOPPIX CDROMのオリジナ
ル版を作りたいときにはこのknoppix.shファイルを圧縮部分の外側においておけ
ばよいのです。

■017■自分独自の設定の呼び出し
前回sda1デバイスなどに(USBフラッシュメモリなど)保存した自分の設定を呼
び出すチートコード
boot: knoppix myconf=/dev/sda1

■018■自分独自の設定の呼び出し(自動で探す)
前回保存した自分用の設定がどこにあるかわからない場合などに「scan」を指定
すると、スキャンをかけて探し出してくれます。しかし、うまく見つからない場
合もあります。USBフラッシュメモリが見つからない場合などもあります。その
場合はきちんと手動で設定しなければいけません。
boot: knoppix myconf=scan (or config=scan)
このチートコードは、つまり、以前に保存した設定ファイルを呼び出すシェルス
クリプトであるknoppix.shを、起動時にUSBフラッシュメモリやハードディス
ク、フロッピーディスクなどに「スキャン」をかけて、自動的に探し出そうとす
るものです。これはKnoppix バージョン3.4に搭載されました。


■019■ハードウエアを明示的に無効にする。勝手に読み込ませない
ハードウエアの検出と設定をさせないようにします。ハードウエアには様々なも
のがあり、音源ボードやスワップメモリ、PCMCIAカードなどなどです。自動的な
検出に失敗するときいっそこのコードを実行して無効にしてしまいましょう。こ
のなかでもnoswapオプションは、コンピュータの「法的分析(フォレンジッ
ク)」をするときに有効でしょう。犯罪など、なにか問題があったコンピュータ
に分析をかけるとき、すでに存在するswapパーティションにもなんらかの痕跡が
残されていることが想定されます。その場合、swap領域をKNOPPIXに自動検出さ
せるとそこをそのままswap領域として使って上書きされ、大事な証拠やデータが
消えてしまうかもしれません。noswapチートコードはスワップパーティションを
使わないでおいてその中身を調べるときに有効だと考えられます(訳者による拡
大翻訳)。
boot: knoppix nosmp noaudio
このほかに・・
noapic noagp noapm nodma nomce nofirewire nopcmcia noscsi noswap nousb
などがあります。

■020■ハードディスクの検出設定拒否
このオプションをつけるとKNOPPIXはfstabファイルを作りません。KNOPPIXは起
動時にハードディスクがあれば、それをスキャンして利用可能なパーティション
があるかどうかを探します。そして、パーティションを見つけると自動的に
/etc/fstabというファイルを作ります。このファイルには、通常、Linuxがマウ
ントすべきパーティションなどが記載されているものです。インストールされて
いるLinuxならこれが固定されて存在しますが、KNOPPIXはCD起動型であるため、
起動するたびにマウントできるハードディスクの有無が変わるためこの時点で作
らなければいけません。そして次に、それらのパーティションをマウントできる
ように「マウントポイント」となるディレクトリを作成します。ハードディスク
の場合hdで始まる名前になり、/mnt/hdxxなどになります。xxの部分にはアル
ファベットや数字が入ります。そういうわけですが、nofstabチートコードを使
うと説明したような「スキャン」もしませんし、fstabファイルも作りません
し、マウントポイントも作りません。
boot: knoppix nofstab

■021■ハードウエアの検出拒否
boot: knoppix nohwsetup
このチートコードをつけるとハードウエアの検出をしなくなります。hwsetup
(ハードウエアセットアップ)を実行しないということです。


■022■PS2マウスの認識
ノートブックにおいて、PS/2マウスがうまく動かないときに、以下のチートコー
ドを試してみてください。多分マザーボードのBIOS処理がうまく合わないので
しょう。
boot: knoppix pci=irqmask=0x0e98

■023■PCMCIA接続のCDドライブからの起動
Transmeta社のノートブックPCを使う場合このチートコードでPCMCIAカード接続
のCDドライブから起動することができます。
boot: knoppix ide2=0x180 nopcmia

■024■IRQをBIOS設定に従わせる
このチートコードは、BIOSが割り当てて指定しているIRQ番号(Interrupt
ReQuests)を使うように強要するものです。うまくすると、うまく機能していな
いハードウエアを動かすことができるかもしれません。手に負えないIRQ番号の
衝突に手軽に対処できる可能性の有る方法です。「dmesg」コマンドと、「cat
/proc/pci」コマンドを実行してみて、こんな障害がみあたらないか、探してみ
てください。
boot: knoppix pci=biosirq

■025■メモリサイズの強制指定
マザーボードがLinuxに対して搭載しているメモリ量をきちんと伝えてくれない
ことがあります。どの場合、KNOPPIXはメモリが足りないと認識してか、「Panic
cannot mount root file system(rootファイルシステムをマウントできなくて
パニックをおこしてしまいました)"」というようなメッセージを表示して停止
することがあります。ここで示すように、もし、あなたがお使いのPCが128MByte
のメモリを搭載しているならmem=128Mのようにメモリを強制的にしていしてやる
とこれをうまく解決できるかもしれません。ここでメガバイトを表現するため
に、数値の後にかならず大文字の「M」をつけてください。あなたのPCがもしも
16320キロバイト搭載しているなら、大文字のKをつけてやれば、16320キロバイ
ト、という表現となり、こういう指定の方法でもうまく動作するでしょう。
boot: knoppix mem=128M


■026■終了時にCDROMをイジェクトしない
このチートコードをつけると、KNOPPIXシャットダウン時にCDドライブはイジェ
クトされなくなります。
boot: knoppix noeject


■027■コマンドプロンプトを出さない
このチートコードは特に前述の「noeject」チートコードと一緒に使うと効果が
あります。通常、KNOPPIXが終了すると、CDROMをイジェクトして、「なにかの
キーを入力してください」というメッセージを表示した状態で止まるのですが、
この「noprompt」オプションをつけると、KNOPPIXはイジェクトもしませんし、
前述の用なメッセージも出しません。つまり、「黙ってなにもアクションを起こ
さずにそのまま終了」します。この機能はバージョン2003.09.22以前にはしょっ
ちゅう要望がありました。
boot: knoppix noprompt

■028■DHCPを使わない
KNOPPIXが起動するときDHCPサーバを探しますが、これを無効にするチートコー
ドです。
boot: knoppix nodhcp

■029■起動メッセージを隠す
このチートコードを実行するとKDEスプラッシュ画面(KDE起動時に表示されるグ
ラフィカルな画面)の上半分だけを表示するようになります。Escキーを押す
と、すべてのメッセージを表示させることができます。これまでこのなぞめいた
起動メッセージを隠してしまいたいなんて考えたことはありませんか?これは
2003.09.22以降のバージョンから有効になりました。バージョン3.4からはアニ
メーションが表示されるようになり、(Escキーだけでなく)どのキーでもうけ
つけるようになりました。
boot: knoppix splash

■030■モジュールの追加読み込み
このチートコードを実行すると、USBスティックフラッシュメモリのようなデバ
イスのための追加モジュールをフロッピーディスクのようなものから読み込ませ
ることができます。これと同等の処理はexpertチートコード(後述)でも実行す
ることができますが、自動的に処理させることはできません。expertチートコー
ドではひとつずつ手動で設定しなければいけません。このチートコードは
2003.09.22以降のバージョンから有効になりました。
boot: knoppix modules-disk

■031■To RAM(トゥラム)オプション
これは起動時にCDROMの中身をすべてパソコンのRAM(メモリ)の中に転送してか
ら起動するオプションです。一度メモリに読み込んでしまえばあとはCDROMから
読むことは無いので非常に軽快に操作が出来るようになります。ただし、原則と
して、メモリ容量がCDROM一枚分無いと使うことができません。
boot: knoppix toram

■032■To Hard Disk (トゥハードディスク)オプション
これは起動時にCDROMの中身をすべてパソコンのHDD(ハードディスク)の中に転
送してから起動するオプション。一度HDDに読み込んでしまえばあとはCDROMから
読むことは無いので非常に軽快に操作が出来るようになります。ただし、ハード
ディスクにCDROM一枚分の空きがないと使用できません。
boot: knoppix tohd

■033■To Hard Disk (トゥハードディスク)オプションにおける保存場所指定
vfatやext2ファイルシステムのハードディスクに「場所を指定して」保存するこ
とができます。例えばハードディスクがhda1として認識されているなら以下のよ
うに入力します。
boot: knoppix tohd=/dev/hda1

■034■From Hard Disk (フロムハードディスク)オプション
トゥハードディスクオプションを使って一度HDDに保存したCDROMの内容は、次回
からそのHDDを指定して起動させることができます。はじめはCDROMにアクセスし
ますが、このオプションを実行すると、そのあとはHDDから起動します。
boot: knoppix fromhd
ドライブを指定する場合は
boot: knoppix fromhd=/dev/hda1

■035■Boot From (ブートフロム)オプション
このオプションで、HDDの場所を指定すると、そこに「前回」CDROMから保存した
圧縮イメージデータから起動してくれます。以下の例では/dev/hda1を指定して
います。
boot: knoppix bootfrom=/dev/hda1
また、以下のようにすると、ハードディスクに保存したISOイメージから起動さ
せることもできます。前述のものはCDROMの中から取り出され、HDDに保存された
圧縮ファイルシステムイメージから起動するのでしたが、今回の場合はCDROM丸
ごとのISOイメージデータとなります。
bootfrom=/dev/hda1/KNX.iso

注意:bootfromチートコードは、ISOイメージのパーティションをマウントする
ことが可能に鳴る前に、既に動いているKNOPPIXシステムへのアクセスができる
ことが条件です。そのシステムは起動しているカーネルと同じカーネルであるこ
とが条件です。
この機能はNTFSパーティションからのインストールを可能にし、ISOイメージか
らの直接起動を可能にしてくれます。
ISOファイルネームにワイルドカード文字列(’任意’を示す文字列)を用いるこ
ともできますが、その名前を唯一特定できるようなものでなければいけません。
実例をあげれば、もしあなたがKNOPPIX.isoという名前のついたKNOPPIX CDROMの
イメージファイルを/dev/hda1のディスク上に持っているならば次のように指定
することが出来ます。
boot knoppix bootfrom=/dev/hda1/K*.iso
ここではKNOPPIX.isoという名前がワイルドカード文字「*」で省略されている
のがわかります。「*」は、「何かの文字列」を示しているので、K*.isoの意味
は、「Kで始まってなんらかの文字列が続いて、最後は.isoで終わるような名前
のファイルを指定している」ことになります。
 しかし、このようなワイルドカードを用いる場合、KNOPPIX1.isoや
KNOPPIX2.isoなどのような似たファイル名があるときは、どちらを指定している
のかきちんとわかるようにしなければいけません。この場合はK*.isoではどちら
か一つに絞れませんので無効となります。この機能はFabian Franz氏によって追
加されました。
気をつけてほしいこと:KNOPPIX3.4に入っているカーネル2.4はext3ファイルシ
ステムをサポートしていません。それで、この機能を使いたいならISOイメージ
がext2形式のファイルシステムで作られていることを確認しておいてください。

■036■クロック切り替え
GMT(グリニッジ標準時)とUTC(協定世界時)を切り替えます
boot: knoppix gmt|utc

■037■ハードウエアクロックのタイムゾーン切り替え
タイムゾーンをヨーロッパ(ベルリン)に切り替えます。このチートコードがあ
るのはKNOPPIXがドイツ生まれだからでしょうか。
tz=Europe/Berlin

■038■フレームバッファ設定
Xを使うとき以外、フレームバッファを使わないという設定
vga=normal

vga=ext
50-line TEXT mode


■039■dmaを使用不能にする設定
Direct Memory AccessをすべてのIDEドライブに対して使用可能にします。ダイ
レクトメモリーアクセスとは、コンピュータ内の装置の間で、CPUを通さずに装
置とRAM(ランダムアクセスメモリ)間でデータのやり取りを行なう機能です。
DVDドライブから動画を再生するときなど、CPUを介してデータを送っていたので
は画像の処理が遅くなり、動画の再生の動きが鈍くなります。このように特に
CPUにデータ処理をさせる必要が無い場合は、この方式のほうが良いでしょう。
boot: knoppix nodma


■040■前回保存したホームディレクトリが無いか探し出す
以前に作成し、保存してあるはずのホームディレクトリを探し出すチートコード
です。KNOPPIXはCD起動であるため、ホームディレクトリの中身は毎回消えてし
まいます。そこで、「継続的なホームディレクトリを作成する」という機能がメ
ニューの中にあり、これを実行しておくとホームディレクトリの中身がまとめて
かためらて保存されます。home=scanはこれを探し出して再利用するのです。
このホームディレクトリを作る方法は、KDEのデスクトップ画面左下に有る「Kメ
ニュー」から「KNOPPIX」>「設定」>「継続的なホームディレクトリを作成す
る」と選択していきます。ただし、もしわかっててやるのでない限り、ホーム
ディレクトリを作るディスクのパーティション全体を使うのはやめた方がよいで
しょう。以前作ったホームディレクトリのイメージを指定するscan以外の方法は
下記のようなものがあります。
boot: knoppix home=/dev/hda1/knoppix.img
boot: knoppix home=/mnt/hda1/knoppix.img
もしUSBメモリスティックを使っているのであれば
boot: knoppix home=/dev/sda1/knoppix.img
と入力してます。まあ多分「home=scan」で大丈夫だと思います。
home=scan

■041■点字(ブライユ)端末の起動
Xではなくて、点字ターミナル(Braille terminal)を起動します。
boot: knoppix blind
brltty=type,port,table
brltty端末のパラメータについては以下のURLを参照してください。
http://mielke.cc/brltty/guidelines.html
http://www.linux.or.jp/JF/JFdocs/Accessibility-HOWTO.html


■042■ALSAの設定
PCIバス上のALSA(Advanced Linux Sound Architecture)の自動設定をしま
す。ALSAはLinuxにMIDIやサウンド機能を提供してくれる仕組みです。
alsa=es1938
この例では、snd-es1938.oモジュールをpciバス上のサウンドカードに設定して
います。

■043■CDドライブ試験オプション
CDデータを完全にチェックします。もしあなたのKNOPPIX CDが起動時に異音(奇
妙な音)を発したり、やたらに「cloop read error(cloop読み込みエラー)」
が頻発するとか、KDEデスクトップのプログラムがランダムに「落ちる」ような
とき、多分そのKNOPPIX CDROMは焼き付けるときに失敗したものだと考えられま
す。これがもっともしょっちゅう報告される一般的なエラーです。
このようなエラーがでるときはこのチートコードを試してください。あるいは、
KNOPPIX CDROMをダウンロードしたサイトにあるMD5チェックサムを使って、ダウ
ンロードしたデータがおかしくなっていないか確認してみてください。
また、KNOPPIX FAQも読んでおいてください。ヒントがあるかもしれません。
注意!:このチートコードは実行するのに長い時間がかかります。そしてチェッ
ク中にスクリーンセーバーが何度も動いてしまうかもしれません。そんなときは
SHFTキーかCTRL(コントロール)キーを押してください。システムを再起動した
り別のCDを焼いたりする必要はこの段階ではありません。
boot: knoppix testcd

■044■プラグアンドプレイ機能の初期化をオフにする
プラグアンドプレイ機能、つまり、OSがシステムに搭載されているカードを自動
的に見つけ出して適切な設定を行なう機能をオフにします。
pnpbios=off

■045■ACPIオフ
ACPI(Advanced Configuration and Power Interface)、つまりパソコンの電力制
御機能をOFFにするチートコードです。ノートパソコンなどでは頻繁に電力制御
機能が使われます。これが逆にKNOPPIXの正常動作を妨げる元になる場合があり
ます。
boot: knoppix acpi=off

■046■
pci=bios
Workaround for bad PCI controllers

■047■KNOPPIX
CDROM上でサーチするディレクトリを指定します。
knoppix_dir=KNOPPIX
Directory to search for on the CD.


■048■Cloop圧縮ファイルを探す
KNOPPIXという名前がついたcloop圧縮ファイルをCDROMの中から探し出します。
(その圧縮イメージから起動します)
knoppix_name=KNOPPIX

■049■非常事態モード!
−b
”非常事態モード”すばやく、有る程度適当に起動させます。ほとんどのハードウ
エアは検出されません、VT(Intelの最新CPUには、仮想マシンをサポートするVT
機能か?)を抜かして。Rootパスワードのところで、そのままEnterを押して、
コマンドを入力してください。
"Emergency Mode", a quick-n-dirty boot, almost no HW detection, only 1
VT; hit enter at root-password prompt and start typing commands. Good if
you just need to fdisk IDE devices, activate a different partition for
booting, DD stuff, and you are planning on rebooting Real Fast after
you're done. You can actually Alt-SysRQ-B safely ie. immediate reboot
w/o worrying about shutting down nicely or anything, because nothing is
mounted r/w at ALL - not even swap. Also works on other Linux distros.




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[edit]Kernels
For a complete listing of the kernels and kernel labels, see the
isolinux.cfg file on the CD.

■050■標準設定で起動する
Default settings 標準状態の設定で起動します。
boot: knoppix または boot: linux
# cat /proc/cmdline
ramdisk_size=100000 init=/etc/init lang=us apm=power-off vga=791
initrd=minirt.gz nomce quiet BOOT_IMAGE=knoppix BOOT_IMAGE=linux


■051■カーネル(バージョン26)の指定
Knoppix3.4系でカーネル2.6を使って起動させます
knoppix26 or linux26
Boot the 2.6 kernel for use with the new Knoppix 3.4 and 3.4 c't Edition.


■052■フレームバッファを使用しない設定
起動時にフレームバッファを使用しません。
(フレームバッファを使用しないとペンギンの絵が出ません。)
boot: knoppix-txt
# cat /proc/cmdline
ramdisk_size=100000 init=/etc/init lang=us apm=power-off vga=normal
initrd=minirt.gz nomce quiet BOOT_IMAGE=knoppix BOOT_IMAGE=linux


■053■固定フレームバッファの設定
解像度を指定して、固定フレームバッファを使用します
boot: knoppix fb1280x1024
または
boot: knoppix fb1024x768
または
boot: knoppix fb800x600

# cat /proc/cmdline
ramdisk_size=100000 init=/etc/init lang=us apm=power-off vga=794
xmodule=fbdev initrd=minirt.gz nomce quiet BOOT_IMAGE=knoppix
BOOT_IMAGE=linux


■054■最低限の機能で起動させる
ほとんどのハードウエア検出をすること無しに起動だけさせてしまいます。
boot: knoppix failsafe
# cat /proc/cmdline
ramdisk_size=100000 init=/etc/init lang=us vga=normal atapicd
nosound noapic noacpi pnpbios=off acpi=off nofstab noscsi
nodma noapm nousb nopcmcia nofirewire noagp nomce nodhcp
xmodule=vesa initrd=minirt.gz BOOT_IMAGE=knoppix BOOT_IMAGE=linux


■055■エキスパートモードで起動する
対話的にやり取りしながら(メッセージにいちいち応えながら)起動させるエキ
スパートモードです。このエキスパートモードは非常に単純であり、かつあまり
まだ試験されつくしていないインターフェースを追加カーネールモジュールをフ
ロッピーディスクから読み取りながら(もちろんフロッピーディスクに追加カー
ネルモジュールをいれておくのは、お使いになるあなたです)起動していきま
す。フロッピーディスクはext2かvfatでフォーマットされている必要があります。
対話的にマウスやキーボード、サウンドカード、Xサーバの設定を行ないます。
このエキスパートモードはknoppixブートオプションと同じ働きをします。
expert
# cat /proc/cmdline
ramdisk_size=100000 init=/etc/init lang=us apm=power-off vga=791
initrd=minirt.gz nomce BOOT_IMAGE=expert BOOT_IMAGE=linux

■056■カーネル26のエキスパートモードで起動!
前述のexpertモードと同じですが、Knoppixバージョン3.4においてはカーネル
2.6でのみ使えます。
expert26

■057■メモリーテスト
memtest
メモリーテスト86をLinuxの代わりに動かして、パソコンのメモリー状態をテス
トします。Knoppix バージョン3.4で対応しています。

■058■デバッグ機能を働かせるチートコード
KNOPPIXが起動する過程で、いろいろな段階でポーズ(一時停止)をかけること
ができます。シャットダウンする場合も同様です。ポーズを解除してつぎの段階
に進みたいときは「exit」と入力してください。
boot: knoppix debug

# cat /proc/cmdline
ramdisk_size=100000 init=/etc/init lang=us apm=power-off
vga=normal initrd=minirt.gz debug BOOT_IMAGE=debug
 BOOT_IMAGE=linux

■059■
userdef
useful kernel alias if you use knoppix-customize. Type 'man
knoppix-customize' for more information. Very experimental.


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さて、もしKNOPPIXがうまく起動できなかったら?(つまり、スクリーンが真っ
黒なままだったり、カーネルパニックメッセージが表示されて止まってしまった
り、スクリーンがチラチラしたり、文字だけの画面で最小限のshell機能を持っ
たモードで立ち上がったり、起動途中で全く止まってしまったなどなど・・)こ
れから示すブートコードを順番に試してみてください、いいですか?

まずはじめに
boot: knoppix vga=0
だめだったら
boot: knoppix acpi=off pnpbios=off noapic noapm
noapmは 電源管理機能のうるさいノートPCに有効です
それでもだめだったら
boot: knoppix vga=0 debug -b 3

このチートコードを使うと、Knoppixは起動過程においてところどころで停止し
ます。シェルプロンプトでexitと入力すれば次のステップに進んでくれます。
exitと入力してもなにもおこらない(次のステップにすすまない)状態になった
ら、そこが最終ステップです。もしここまできたらinit5と入力してグラフィッ
クモードに切り替えましょう。

boot: failsafe debug -b 3
これも上のチートコードと「ほとんど」おなじ働きをします。ただし、ほとんど
のハードウエア検出作業は行ないません。もしなにか情報があったら以下のURL
の「Hardware & Bootingフォーラム」までお知らせください。
(http://www.knoppix.net/forum/viewforum.php?f=9)
そして、どのコマンドを試したらうまくいったのか、いかなかったのか、ブート
プロセスはどんな風になったのか、などを報告してください。それによって多く
の人が助かります。

■060■トラブルシューティングに関するさらなる情報
ほとんどのチートコード(ブートオプション)は、KNOPPIXが起動する過程にお
いて、大雑把に言えば以下のような順番で異なるプログラムに渡されて実行され
ます。

1:the isolinux bootloader(isolinuxとよばれるブートローダ)
2:the linux kernel (Linuxカーネル)
3:/linuxrc , このファイルは以下の場所にあります。
/cdrom/boot/isolinux/miniroot.gz -> linuxrc
4:/etc/init.d/knoppix-autoconfig (自動設定プログラムであるautoconfig)
5:/etc/init.d/xsession
6:/usr/sbin/mkxf86config
7:/etc/init.d/knoppix-halt
8:/etc/init.d/knoppix-reboot
カーネルに渡す更なるチートコード(ブートパラメータ)について知りたい場合は
「man boot」または「man bootparam」を実行してください。これはもちろん
KNOPPIXが起動した後で実行するのです。

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[edit]Updates
Updated for Knoppix 3.1 2003-01-05

Updated for Knoppix 3.2
desktop=gnome is no longer available... (use Gnoppix
(http://www.gnoppix.org)).
Updated for Knoppix 3.8.2

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■061■関連情報へのリンク
最新のチートコード情報
http://download.linuxtag.org/knoppix/knoppix-cheatcodes.txt

http://www.tldp.org/HOWTO/BootPrompt-HOWTO.html
http://www.wlug.org.nz/bootparam%287%29
kernel-parameters-2.6.11
Retrieved from "http://www.knoppix.net/wiki/Cheat_Codes"
Categories: Cheat Codes


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意訳:志子田有光@東北学院大学
協力:濱田龍義@福岡大学
協力:須崎有康@産業技術総合研究所
協力:千葉大作@株式会社アルファシステムズ

参考文献
http://www.knoppix.net/wiki/Cheat_Codes
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