タイ国、ノンタブリ県の田村です。
[6400]でご報告した.xsession-errorsの出力されるscim関連のログに関する
続編です。残念ながら、未だ解決には至っていませんが、少しばかり分かっ
た点がありますので、お知らせします。
現在、Knoppix V5.0.1-CD AIST版をHDDにインストール(CD起動スタイル)
した状態で実験していますが、思い切ってKDEを3.5.3にアップグレードして
見ました。ご存知のように、これをすると"Knoppix"ではなくなる危険があり、
実際、KDEが起動しなくなりましたが、次のアドバイスに助けられて、無事に
復旧しました:
http://lists.debian.org/debian-knoppix/2006/07/msg00047.html
しかし、ログの問題には効果はありませんでした。その他scimのアップデー
ト、skimの導入等も試みましたが、効果なし。考え込んでいるうちに、他の
distroではどうなっているのかな、と気になり始めました。そこで、以下の
Live-CDを順次ダウンロードして、その状態を覗いてみました。選択の基準
としては、デスクトップにKDE、日本語入力にscimを採用しているものを選ん
でみました:
[1] Berry Linux 0.72 (based on Fedora Core 5)
Kernel 2.6.17
KDE 3.5.3
[2] SLAX 5.1.7 (based on Slackware)
Kernel 2.6.16.22
KDE 3.5.3
[3] SimplyMEPIS 6.0 (based on Ubuntu)
Kernel 2.16.15.26
KDE 3.5.3
[4] Kanotix 2005-04 WCUP (based on Debian)
Kernel 2.6.14.5
KDE 3.4.3
[1]は開発者のページ (http://yui.mine.nu/berry/berry.php)から、[2]~
[4]の日本語版は「ライブCDの部屋」(http://2.csx.jp/livecdroom/)から
それぞれダウンロードしました。
結果から言うと、[1],[2]にはそもそも~/.xsession-errorsというファイル
が存在しません。ですから比較のしようがありません。[3],[4]にはありま
す。そして、Knoppix V5.0.1の場合と全く同様に、scimからKDE, Kアプリ
ケーションに渡される入力データに関して、多量のログが出力されています。
しかも、Knoppix V5.0.1(AIST)の場合よりも更に多量です。AIST版の場合に
は、入力して変換後、確定する毎に1行のログが出力されます。ところが、
SimplyMEPISやKanotixの場合(Berry Linux, SLAXの場合もそうですが)、
KDE, Kアプリケーション上でscimを使用すると、インライン入力になります。
そして、インライン入力の場合には「確定する度に1行」ではなく、キースト
ローク毎に3行ほどのログが出力されるようなのです。このため、AIST版
Knoppixの3倍も多くのログが出力される結果になっています。
ですから、これはKnoppix固有の問題ではないようです。少なくともDebian
及びUbuntu系に属する他のDistroでも起きているのです。しかもインライン
入力か否かで差が出ているところを見ると、これは「scimのログ」ではなく
て、「KDEのログ」と言った方が適切のようですね。scimからKDEに入力デー
タが渡される度に"sending IMStart with 0 chars to 0x8321e18..."といっ
たログが出力されるようです。詳細は私には全く分からないのですが、KDEを
コンパイルする際に、そうしたデバックの設定があるんでしょうか。ご存知
の方がいらっしゃいましたら、ご教示ください。
以上、追加報告でした。
田村志緒理
(2006-08-04)
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