いつもお世話になっております。
拓殖大学の石野と申します。
KNOPPIXの高速化について、実験を行いましたので、報告させていただきます。
本MLにおいて報告されましたReadaheadも含め、実験をいたしました。
我々が作成しました高速化の方法を以下に説明させていただきます。
昨年度からKNOPPIXの起動時間を短縮するため、mkisofsを改良して高速化を行ってき
ました。
CD-ROMに記録可能な最大容量は700MBですが、700MBより少ない容量のKNOPPIXを
作成する場合、CD-ROMの内側からデータが書き込まれるため、外側に書き込まれない
領域が存在します。
一定時間に読み込まれるデータ量は、内周と外周を比較すると、外周の方が多いので、
KNOPPIXのデータを外周に配置した方がKNOPPIXの起動時間が早くなります。
このことを利用して、作成したいisoイメージの容量を指定すると、CD-ROMの内側に
ブランクファイルを格納して、KNOPPIXのデータを外側に配置するようにしました。
実験で利用したKNOPPIXは以下の通りになっています。
使用したKNOPPIX:KNOPPIX3.7 (knoppix_v3.7_20041208-20050125.iso)
容量:383MB (独自にパッケージの削除を行いました)
このKNOPPIXを利用して以下の4通りで起動時間の比較を行いました。
以下の記述は、ブランクファイルを格納しているか/Readaheadを利用しているか、
という順に記述しています。
1)なし/利用しない
2)あり/利用しない
3)なし/利用する
4)あり/利用する
実験には,以下の2台のPCを利用しました。
A)
メモリ:1GB
CPU:Pentium 4 3.0GHz
CD-ROMドライブの読み込み速度:24倍
B)
メモリ:384MB
CPU:Pentium 3 933MHz
CD-ROMドライブの読み込み速度:24倍
実験結果について以下に記述いたします。
平均起動時間と短縮率を計算しました。短縮率は、上記1)のブランクファイルを格
納せず、Readaheadを利用しない場合を元に計算しています。
平均起動時間は(分:秒)で表記しています。
A)のPCを利用した実験結果
1)なし/利用しない 3:42 0% (元にしていますので0%と記述しました)
2)あり/利用しない 3:24 8.4%
3)なし/利用する 2:55 21.3%
4)あり/利用する 2:45 25.7%
B)のPCを利用した実験結果
1)なし/利用しない 4.37 0% (元にしていますので0%と記述しました)
2)あり/利用しない 5:18 -15.0%
3)なし/利用する 3:57 14.4%
4)あり/利用する 4:26 3.7%
以上の実験結果がでましたので、報告させていただきました。
今後は他のPCで、同様の実験を行いたいと考えています。
以上です。
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拓殖大学大学院 工学研究科
石野将教(Ishino Masanori)
E-mail:ishino@xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx
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