タイ国、ノンタブリー県の田村です。
しばらくご無沙汰いたしました。現在も、KNOPPIX上で
CJK+SEA(東アジア・東南アジア諸語)を利用する環境
を作りつづけておりますが、今回はV3.8.1_20050408-
20050415をHDにインストールし、そこにscim/skimの
パッケージをインストールしてみました。これによって、
AISTのオリジナルの環境ではどうしても動いてくれない
uim-anthyとuim-primeが利用できるようになりました。
まず最初に参考にしたのは、以下のページです。
http://blog.goo.ne.jp/ikunya/e/5a5cc7a6ca7cd4c7e216365fa9c0641b
さて、実際にはここで触れられているよりもかなり多く
のパッケージが必要なようです。私が試した結果は、以
下の様になっています。
scimをKNOPPIX上で利用するための最小限のパッケージ
は、次のもののようです。
gconf2_2.8.1-5_i386.deb
libfribidi0_0.10.4-6_i386.deb
libgconf2-4_2.8.1-5_i386.deb
libm17n-0_1.2.0-2_i386.deb
liborbit2_1%3a2.12.2-1_i386.deb
libotf0_0.9.3-1_i386.deb
m17n-db_1.2.0-1_all.deb
scim-config-gconf_1.0.2-2_i386.deb
scim-m17n_0.1.3-1_i386.deb
scim-uim_0.1.3-2_i386.deb
scim_1.0.2-2_i386.deb
さらに、uim-anthyとuim-primeをscimを通じて利用
するために、以下の2つのパッケージを加えました。
uim-anthy_1%3a0.4.6final1-2_i386.deb
uim-prime_1%3a0.4.6final1-2_i386.deb
しかし最小限の構成ですと、scimの設定に困難がある
ようでしたので、以下のものもインストールしました。
scim-config-socket_1.0.2-2_i386.deb
scim-frontend-socket_1.0.2-2_i386.deb
scim-gtk2-immodule_1.0.2-2_i386.deb
scim-server-socket_1.0.2-2_i386.deb
skim_1.0.2-1_i386.deb
ところで、skimがインストールされると、kdeと同時に
scim/skimが起動するようになりますから、起動スクリ
プトの設定は不要です。
私個人は、ハングルや中国語(簡体字、繁体字)も利用
できるようにするため、以下のパッケージもインストー
ルしました。
libchewing-data_0.2.6+svn20050326-1_all.deb
libchewing2_0.2.6+svn20050326-1_i386.deb
scim-chewing_0.2.0-2.1_i386.deb
scim-chinese_0.4.2-1_i386.deb
scim-hangul_0.1.2-1_i386.deb
このうち、hungulと繁体字用のchewingは正常に稼働す
るようですすが、scim-chineseはうまく働いてくれま
せん。
それから、/etc/xim/jaに新たにscimを加えましたが、
これには以下の内容しか書き込みません。
INPUTMETHODNAME="SCIM" <=好きな名前
INPUTMETHODSERVER="" <=空欄
XMODIFIERS="@im=SCIM" <=大文字です
INPUTMETHODEMACSLISP="" <=空欄
XIM_PROGRAM="" <=空欄
そして、/etc/X11/Xsession.d/31xinputを次のよう
に編集しました。
# start X input method.
[ -f /etc/sysconfig/i18n ] && . /etc/sysconfig/i18n
[ ! -n "$LANGUAGE" ] && LANGUAGE=ja
[ -f /etc/xim/$LANGUAGE/$XIM ] && . /etc/xim/$LANGUAGE/$XIM
# for SCIM
[ ! -n "$XMODIFIERS" ] && XMODIFIERS=@im=SCIM
GTK_IM_MODULE=scim
export XMODIFIERS GTK_IM_MODULE
# for Japanese and Simplified Chinese
case $LANGUAGE in
ja*)
if type $XIM_PROGRAM > /dev/null ;then
$XIM_PROGRAM &
else
xmessage -geometry 500x100 "Couldn't start $XMODIFIERS. Check
your installation." &
fi
;;
cn)
/usr/bin/chinput &
;;
esac
お分かりのように、"# for SCIM"以下の3行が加えら
れています。skimが入ると、言語環境に関わりなく、
常にscim/skimが起動するようになりますから、変数
XMODIFIERSとGTK_IM_MODULEをいつも設定するよう
にしています。"# for Japanese ..."のところは、
暫定的にchinputを利用するために、必要になりまし
た。既述のようにSCIMでは簡体字入力がうまくいかな
かったからです。ピンイン入力をお使いにならない方
には不要な設定です。
最後に使い勝手ですが、ちょっと不安定なところもあ
ります。特に、入力メソッドを切替えるキーボード
ショートカットに問題があるようです。次々に切替え
ていくと、プロセスが死んでしまうことがあります。
ですから、このショートカットは削除しておいた方が
無難なようです。こうした欠点もありますが、それに
も増して、利点が大きいです。anthyやprimeが自由
に利用できること、しかも同一セッション内で切替え
が可能なこと、それどころか、FireFoxやGimp2.2な
どのアプリでは、言語間の切替えさえも可能です!
今回インストールしたパッケージは、scim-1.0.2を
元にしたもののようです。scim本家の最新版は現在、
1.2.2らしいですから(http://www.scim-im.org)、
今後のアプデートに期待したいと思います。
追伸:
これはscimとは直接関係ないことですが、HDにイン
ストールしたV3.8.1をカスタマイズしていて、気がつ
いたことがあります。OpenOffice.org日本ユーザ会
の独自ビルドを利用したくてOpenOfficeのパッケー
ジを削除したところ、メニューエディタが使えなくなっ
てしまいました。理由が分からず、何度もクリーンイ
ンストールを繰り返した結果、パッケージの削除時に
何かが壊れてしまうようだという結論に達しました。
それがOpenOfficeの削除の時だけなのか、それとも
他のパッケージの削除の際にも起きるのか、そこまで
は突き止めていませんが、同じような経験をなさった
方はいらっしゃらないでしょうか。
2005-05-12
田村志緒理
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