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[knoppix:5111] V 3.8.1にscim/skimを導入

Date: Thu, 12 May 2005 18:07:28 +0900 (JST)
X-mailer: FreeML Web Mailer XP; SP2
タイ国、ノンタブリー県の田村です。 
 
しばらくご無沙汰いたしました。現在も、KNOPPIX上で 
CJK+SEA(東アジア・東南アジア諸語)を利用する環境 
を作りつづけておりますが、今回はV3.8.1_20050408- 
20050415をHDにインストールし、そこにscim/skimの 
パッケージをインストールしてみました。これによって、 
AISTのオリジナルの環境ではどうしても動いてくれない 
uim-anthyとuim-primeが利用できるようになりました。 
 
まず最初に参考にしたのは、以下のページです。 
  http://blog.goo.ne.jp/ikunya/e/5a5cc7a6ca7cd4c7e216365fa9c0641b 
 
さて、実際にはここで触れられているよりもかなり多く 
のパッケージが必要なようです。私が試した結果は、以 
下の様になっています。 
 
scimをKNOPPIX上で利用するための最小限のパッケージ 
は、次のもののようです。 
  gconf2_2.8.1-5_i386.deb 
  libfribidi0_0.10.4-6_i386.deb 
  libgconf2-4_2.8.1-5_i386.deb 
  libm17n-0_1.2.0-2_i386.deb 
  liborbit2_1%3a2.12.2-1_i386.deb 
  libotf0_0.9.3-1_i386.deb 
  m17n-db_1.2.0-1_all.deb 
  scim-config-gconf_1.0.2-2_i386.deb 
  scim-m17n_0.1.3-1_i386.deb 
  scim-uim_0.1.3-2_i386.deb 
  scim_1.0.2-2_i386.deb 
 
さらに、uim-anthyとuim-primeをscimを通じて利用 
するために、以下の2つのパッケージを加えました。 
  uim-anthy_1%3a0.4.6final1-2_i386.deb 
  uim-prime_1%3a0.4.6final1-2_i386.deb 
 
しかし最小限の構成ですと、scimの設定に困難がある 
ようでしたので、以下のものもインストールしました。 
  scim-config-socket_1.0.2-2_i386.deb 
  scim-frontend-socket_1.0.2-2_i386.deb 
  scim-gtk2-immodule_1.0.2-2_i386.deb 
  scim-server-socket_1.0.2-2_i386.deb 
  skim_1.0.2-1_i386.deb 
 
ところで、skimがインストールされると、kdeと同時に 
scim/skimが起動するようになりますから、起動スクリ 
プトの設定は不要です。 
 
私個人は、ハングルや中国語(簡体字、繁体字)も利用 
できるようにするため、以下のパッケージもインストー 
ルしました。 
  libchewing-data_0.2.6+svn20050326-1_all.deb 
  libchewing2_0.2.6+svn20050326-1_i386.deb 
  scim-chewing_0.2.0-2.1_i386.deb 
  scim-chinese_0.4.2-1_i386.deb 
  scim-hangul_0.1.2-1_i386.deb 
 
このうち、hungulと繁体字用のchewingは正常に稼働す 
るようですすが、scim-chineseはうまく働いてくれま 
せん。 
 
それから、/etc/xim/jaに新たにscimを加えましたが、 
これには以下の内容しか書き込みません。 
 
  INPUTMETHODNAME="SCIM"  <=好きな名前 
  INPUTMETHODSERVER=""    <=空欄 
  XMODIFIERS="@im=SCIM"   <=大文字です 
  INPUTMETHODEMACSLISP="" <=空欄 
  XIM_PROGRAM=""          <=空欄 
 
そして、/etc/X11/Xsession.d/31xinputを次のよう 
に編集しました。 
 
 # start X input method. 
  [ -f /etc/sysconfig/i18n ] && . /etc/sysconfig/i18n 
  [ ! -n "$LANGUAGE" ] && LANGUAGE=ja 
  [ -f /etc/xim/$LANGUAGE/$XIM ] && . /etc/xim/$LANGUAGE/$XIM 
  # for SCIM 
  [ ! -n "$XMODIFIERS" ] && XMODIFIERS=@im=SCIM 
  GTK_IM_MODULE=scim 
  export XMODIFIERS GTK_IM_MODULE 
  # for Japanese and Simplified Chinese 
  case $LANGUAGE in 
    ja*) 
      if type $XIM_PROGRAM > /dev/null ;then 
        $XIM_PROGRAM & 
      else 
        xmessage -geometry 500x100 "Couldn't start $XMODIFIERS. Check 
your installation." & 
      fi 
    ;; 
    cn) 
      /usr/bin/chinput & 
    ;; 
  esac 
 
お分かりのように、"# for SCIM"以下の3行が加えら 
れています。skimが入ると、言語環境に関わりなく、 
常にscim/skimが起動するようになりますから、変数 
XMODIFIERSとGTK_IM_MODULEをいつも設定するよう 
にしています。"# for Japanese ..."のところは、 
暫定的にchinputを利用するために、必要になりまし 
た。既述のようにSCIMでは簡体字入力がうまくいかな 
かったからです。ピンイン入力をお使いにならない方 
には不要な設定です。 
 
最後に使い勝手ですが、ちょっと不安定なところもあ 
ります。特に、入力メソッドを切替えるキーボード 
ショートカットに問題があるようです。次々に切替え 
ていくと、プロセスが死んでしまうことがあります。 
ですから、このショートカットは削除しておいた方が 
無難なようです。こうした欠点もありますが、それに 
も増して、利点が大きいです。anthyやprimeが自由 
に利用できること、しかも同一セッション内で切替え 
が可能なこと、それどころか、FireFoxやGimp2.2な 
どのアプリでは、言語間の切替えさえも可能です! 
 
今回インストールしたパッケージは、scim-1.0.2を 
元にしたもののようです。scim本家の最新版は現在、 
1.2.2らしいですから(http://www.scim-im.org)、 
今後のアプデートに期待したいと思います。 
 
追伸: 
これはscimとは直接関係ないことですが、HDにイン 
ストールしたV3.8.1をカスタマイズしていて、気がつ 
いたことがあります。OpenOffice.org日本ユーザ会 
の独自ビルドを利用したくてOpenOfficeのパッケー 
ジを削除したところ、メニューエディタが使えなくなっ 
てしまいました。理由が分からず、何度もクリーンイ 
ンストールを繰り返した結果、パッケージの削除時に 
何かが壊れてしまうようだという結論に達しました。 
それがOpenOfficeの削除の時だけなのか、それとも 
他のパッケージの削除の際にも起きるのか、そこまで 
は突き止めていませんが、同じような経験をなさった 
方はいらっしゃらないでしょうか。 
 
2005-05-12 
田村志緒理 
 
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